「児童英語講師の仕事は未経験でも挑戦できる?」
「児童英語講師の仕事と家庭を両立させるのは大変そう……」
「実際の先生の経験談が聞きたい!」
児童英語講師の仕事に興味を持っている方の中には、このような疑問や悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。今は全く別の業界で働いているけれど、昔から子どもと英語が好きで児童英語講師に憧れていたという方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、小さなお子さまを持つ母親でありながら、他業界を経て現在は神田外語キッズクラブの児童英語講師として活躍されている先生お二人に、児童英語講師になったきっかけ、仕事のやりがいや苦労、最近の教育業界の動向、今後の目標などについて語っていただき、その内容を前編・後編に分けてお届けします。
後編となる本コラムでは、
を中心にお伝えします。最後までお読みいただき、今後のキャリアデザインの参考にしていただければ幸いです。
※他業界から児童英語講師に挑戦したきっかけ、児童英語講師としてのやりがい、最近の教育業界の動向などについてお伝えしている前編のコラムはこちらからご覧ください。
篠原麗香 先生 時澤葉子 先生
篠原麗香 先生(写真左)
神田外語大学外国語学部英米語学科卒業。児童英語講師養成講座修了。J-SHINE®有資格者。神田外語キッズクラブ講師。児童英語指導者として13年のキャリアを持ち、乳児から小学校6年生までのクラスを担当。二児の母として自宅でも英語教育を実践中。キッズクラブの0・1・2歳クラス、2・3歳クラスのプログラム開発担当。保護者様向けの子育て英語講座の開発および指導者としても活躍中。
時澤葉子 先生(写真右)
神田外語大学外国語学部英米語学科卒業。児童英語講師養成講座修了。J-SHINE®有資格者。神田外語キッズクラブ講師。現在、乳児クラスの指導をメインで担当。明るく誠実な人柄で、保護者と子ども達の心を掴んで離さない魅力的なレッスンを行う人気講師。二児の母としての子育て経験を、児童英語指導現場でも活かしている。
目次
■小学校の授業も実践形式に。英語教育の現場は変化している
■児童英語の知識やスキルは重要。でも、最も大切なのは“子どもの気持ちに向き合うこと”
■業界未経験で児童英語講師を目指すなら、神田外語キッズクラブの児童英語講師養成講座
――お二方は母親として、小学校の英語教育に触れる機会もあると思いますが、どのように見てらっしゃいますか?
時澤先生:小学5年生の子どもが家でオンライン授業を受けているところを見たのですが、“Can you〜”を使って先生に英語でインタビューする練習をしていました。「料理はできますか?」とか、「ダンスはできますか?」とかですね。
自分が子どものときは、英語の授業といえば座学でした。でも、今の小学校の授業では、先生1人対児童30人くらいの環境でも、なんとか子どもを授業に参加させて、発話させようという工夫が感じられます。学校の英語教育も変わろうとしているんだなと思いましたね。
授業参観に行ったときも、子どもたちが店員役とお客さん役に分かれて、ピザ屋さんのロールプレイをしていたんです。会話にも力を入れて、実践的な授業にしようと取り組んでいるんだなという印象を受けました。
――ご自身のお子さまの英語教育はどうしていますか?
篠原先生:私自身が英語教育の道に進んでいるということもあるので、小さいうちから英語に触れさせたいとは思っていました。小さいうちはあやしながら英語の歌を歌ってみたりしていたのですが、幼稚園くらいになってくるとだんだんと難しくなってきて。英語をやってほしいけど、「今は嫌だ」と。そういう時は強要しませんでした。
ただ、最近になって小学校に上がり、学校で英語の授業を受けるようになってから、「これってどういう意味?」と聞いてくるようになったんです。うちの子の場合は、小学生になってからの方が英語というものに向き合えている気がします。
時澤先生:私も小さい頃から教えたいと思っていたのですが、やってるうちに一方通行になっているように感じたんですね。私だけ一生懸命で、子どもには全然響いてないんじゃないかと。
夫もあまり協力的ではなかったので、私だけが一人で頑張っても意味がないと思って、スパっとやめました。ただ、いずれ子どもが英語に興味を持ったら、その時は一生懸命サポートするつもりでした。
やはり幼稚園に行って英語に触れるようになると、「ママ、この歌知ってる?」と尋ねてくるようになりました。小学校に上がるとそういうことがさらに増えて、「先生がこういうことを言ってたんだけど、ママ分かる?」と聞いてくるんです。子どもが聞き取ったまま話すので正確ではないのですが、推測して意味を教えて。そして学校に行って帰ってきたら、「当たってたよ!」と。
最近は発表の練習に付き合ってと言われるようにもなりました。子どもの勉強に関われているのがうれしいですね。子どもの質問に私が答えられるので、「ママって英語できるんだね!」と子どももうれしいみたいです。親子でそういうことができるようになったのは、この仕事をやっていてよかったと思うところです。
――先生としての勉強にもなりますね。
時澤先生:私が神田外語キッズクラブの児童英語講師養成講座(以下:養成講座)を受けていたときにコロナ禍に突入して、子どもたちが学校に行けなくなったんですよね。その時に、養成講座で用意されていたレッスンプランを使って子どもたちに教えてみたんです。
当時は外にも出られない状況だったので、子どもたちも「今日も英語やる?」とすごく楽しかったみたいで。子どもと一緒に英語ができたのは、私も勉強になったのですごくいい経験だったと思います。
副教材を作るときも、子どもたちに感想を聞いています。「もっとかわいくした方がいいと思う」と言われたりするので、子どもの反応を見てから取り入れるようなりました。
――一方、レッスンでは先生として意識していることやコツはありますか?
篠原先生:ちゃんとみんなが発話できているか、リピートしているかというのは昔から意識しているところです。一方通行では絶対に意味がないので、興味を持って聞いてくれて、何か言ってくれるというキャッチボールができればいいと思っています。
主流になっているティームティーチングでもそうですね。どうしても外国人の先生がメインになって単語を読んだり話したりすることになりますが、そこをサポートする意味で、必ず子どもたちを見ています。全く声を出していなかったり、鉛筆をいじったりしてる子がいたら、すかさず声をかけます。
それから、教える内容が同じでも、子どもたちの反応を見てクラスごとにアクティビティや歌などを変えるようにしていますね。例えば年少さんのクラスを複数持っていた場合、クラスによって雰囲気や学習の出来は全然違います。まずは同じプランを立てるんですが、実践してみて合わなかったと思ったら、スパッと変えます。歌、手遊び、チャンツ*など、クラスに合わせて変えるのは心がけています。
*チャンツ:一定のリズムにあわせて単語や文章を発声し、イントネーションや発音の練習を行う指導法
時澤先生:私は今は乳幼児クラスで、ようやく日本語を話し出す子どもたちを見ています。40分のレッスンの中で、とにかく1つでも興味を持ってもらおうと意識しています。2歳前後の子なのでレッスンを見ていない時もありますが、リズムだけでも感じてほしいので、曲を流して英語のフレーズのタイミングで背中をトントン叩いたりしています。無理強いはしないようにしていますね。
あとは、自分自身が楽しむことです。自分に元気がない日は何となくレッスンもうまくいかなかったり、子どもたちの反応も悪かったりすることが多いんです。とにかく楽しく、活気があるレッスンになるように、ウォーミングアップからテンションを上げるようにしています。
――レッスンで苦労するのはどんなところですか?
時澤先生:英語だけではなく、しつけのようなこともやっていかないといけないという点では少し大変な面もありますね。小さい子のクラスなので走り回るし、言うことをすぐ聞いてくれる年齢でもないので、「座って」と言うと、逆に机に上り始める子もいます。
(篠原)麗香先生が仰るように、子どもたちの性格をよく理解して、そのクラスに合ったレッスンを提供しないとうまくいかないことが多いと思います。
篠原先生:私も同じ点です。もちろん子どもは好きなので、どんなに騒いでも大丈夫という気持ちでレッスンに臨んでいるのですが。乳児・未就園児クラスは保護者の方も一緒にレッスンに参加するので注意してくれますが、年少さんくらいからは保護者の方と離れてしまうので、特に大変ですね。
私は年少さんクラスを2つ持っていますが、両方ともタイプが違います。しかも、子どもたちのコンディションも毎回違うんですよね。子どもたちのモチベーションが低い日もあるし、ギリギリまで昼寝していて起こされて来る子もいます。
保護者の方と離れる年齢なので、少なからず保育士さんのような側面もあるのが難しいところの一つだと思います。いかにレッスンに集中させて、興味を英語に持っていけるか。いくら知識があって児童英語を教えるスキルがあっても、子どもたちの気持ちに向き合っていかなければいけません。そこは苦労する点ですね。
――子どもとの総合的なコミュニケーション力が求められますね。
篠原先生:この仕事を始めたばかりの時は子育ての経験がなかったので、子ども達の様子から気持ちを汲み取るのが大変に思ったこともありましたが、今は私も自分の子どもがいるので気持ちが分かります。とはいえ、子育ての経験があってもやっぱり苦労することはあります。
時澤先生:私も10年前は子どもがいなかったのですが、子どもが好きという自信はあったんです。でも、レッスンをしてみるとうまくできないことがあって、保護者の方からの目も正直怖かったです。「この先生は子どものことを分かってるの?」と思われているのではないかというプレッシャーもあって、思うようにレッスンできなかったこともあります。
でも、その当時と、子育てと養成講座を経験した今では気持ちが全く違います。今の方が余裕がありますね。もちろん大変なことも多いですが、子どもたちも成長するし、1年後にはきっともっと落ち着いているから大丈夫と思えるようになったんです。
子育ての経験がなかった頃はそう思えないんですよね。もうずっとこのままなんだろうなと。それも結構ストレスになっていたかもしれません。この仕事する上では、子育て経験がなかったとしても、子どもと触れ合った経験が多い方がプラスになると思います。
――一方通行にならないように、子どもの小さな変化を感じ取る力が重要なんですね。
篠原先生:子どもに同調することが大事ですね。「ママ、ママ」とずっと言ってる子に対して、「大丈夫、大丈夫」と言って無理にレッスンに引き込むよりも、「ママがいいよね、そうだよね」と同調してあげると次第に落ち着くんです。同調しつつ、レッスンに興味を引かせるように「りんご好き?」と言ってみたりします。
自分の感覚だけでわからない部分は、本を読んだり人に聞いたりして情報収集すると気付きがあると思います。私も幼稚園の先生をやっている妹に意見を聞いています。全てが当てはまるかと言えば、必ずしもそうではないですが、試してみて損はないですね。情報収集をしたらとにかく試してみるようにしています。
――なるほど。では、児童英語の先生としての今後の目標はありますか?
篠原先生:講師としてずっと携わることが目標ですね。そして、いつまでも小さい子の最初の先生でありたいなと思っています。
養成講座の講師も引き続きやりたいという気持ちがあります。自分が知っていることを次世代の方に伝えていきたいですね。10年以上この仕事をやっているので、どのような見せ方をすれば子どもが集中してくれるかとか、どういうカードを作ったらいいかとか。授業運営だけでなく、副教材作りのアイデアも含めて、知識や経験があると思っています。
私も先生として入った当初は色々不安があったのですが、先輩の先生との接点がなくてなかなか質問ができなかったんです。でも、今はキッズクラブで座談会をやってくれたりしているので、そういう場で、後輩の先生や講師になりたいという人たちの引き出しを増やしてあげたいですね。そういうことも目標の一つです。
時澤先生:麗香先生のような素晴らしい先輩が近い距離にいてくださるので、すぐに「どうしよう?」と聞いてしまいます。以前、別のクラスの代講をすることになった時も、麗香先生に相談したら的確にアドバイスくださいました。
私自身の目標は、自分自身の引き出しをもっと増やしていくことです。今はまだ日々レッスンをこなすのがいっぱいいっぱいのところもあります。副教材作りの知識もまだまだ乏しいですし、どういうものが子どもたちに合っているのか考えるのも手探りです。
昨年はティームティーチングで外国人の先生に相談ができたので、少し気が楽だったのですが、今年は日本人講師1名で教えるクラスなので「本当にこれでいいのだろうか?」と思うことが正直あります。それは自信のなさも原因の一つだと思うので、できることはどんどんやって経験を積んで、勉強してスキルアップして、よりよいレッスンができる先生になりたいと思っています。
それから、子どもたちに「この先生のレッスン楽しい!」と思ってもらうのが目標ですね。麗香先生もおっしゃるように、子どもたちに英語をずっと好きでいてほしいっていう気持ちがあってこの仕事を始めたので。自信を持って英語を話せる子に育てたいという思いがあります。
――ありがとうございます。話題が変わりますが、養成講座で学んでよかった思うのはどんなところか教えてください。
篠原先生:養成講座はなによりもすごく楽しくて。受講当時は30歳手前でしたが、大学生になったような気持ちで学べました。しかも、受講生全員が英語を好きで、それぞれの目的のために学んでいるので、モチベーションがあってフレンドリーな人が多かったのもよかったです。大学生のような気持ちで楽しく講座を修了できたので、神田外語の講座を選んでよかったと思います。
時澤先生:養成講座は本当に楽しくて、受講していた頃は家族にも「ママ、なんか生き生きしてるね」と言われていました。私は子どもに自分が頑張る姿を見せたいと思っていて。ちゃんとお母さんにも好きなことがあって、勉強しているんだよという姿を、子どもに見せたいという意味で通っている部分もありました。母親になってからこうした講座を受ける機会があったのはよかったと思っています。
そういう意味で、この講座はもっと早く受けたかったですね。麗香先生が講師をすると聞いて存在を知ったので、そんな素敵な講座があるのになぜ知らなかったんだろうと後悔しました。
▲養成講座で講師を務める篠原先生
――最後になりますが、お二方のように、これから母親として子育てをしながら児童英語の道に進みたいと思っている方にメッセージをお願いします。
篠原先生:この仕事は自分の生活スタイルで働けるので、思っているよりは難しくないという点は伝えたいです。日々子育てや家事をしている専業主婦の方にとっては、新たに仕事を始めることはハードルが高いと思われがちですが、そんなことはないと思います。ちょっとでも興味があるなら、まずはやってみたらいいと思います。
私は家事をするのは嫌いではないですが、あまりどっぷり家庭のことばかりをやっているとやはり疲れてしまうので、仕事をしている時間も必要だなと思うことがあります。母親ではない立場でいられる環境があると、それだけで気持ちも変わってきます。
時澤先生:本当におっしゃる通りで、キッズクラブだったからなのか、思っていたよりも難しくないという印象です。
私の場合は麗香先生という素晴らしいロールモデルがあったので勇気を持てたのですが、始める前はなかなか踏み切れずウジウジしていたんです。私にできるかなと。でも、今では「やっぱりやってみてよかった!」と思えるので、少しでもやりたいと思っていたらすぐに飛び込んで行ったほうがいいと思います。
篠原先生:養成講座は本当にいいですよね。子どもと英語が好きな方であれば、気付きの多さにはっとすると思います。
時澤先生:私も毎日子どもを送って、講座を受けて、子どもを迎えに行くという生活をしていましたが、ちゃんとできました。迷っていたらぜひ受けてください。お子さんがいる方であれば講座内で教えてもらったことを家でも試せるし、実践を通して学べることがあります。子育て中の方にこそおすすめしたいですね。
――ありがとうございました。
「児童英語の先生に憧れはあるけれど、大学で専門的に学んだことがないし、スクールも色々あるので選べない……」
という方には、神田外語キッズクラブの「児童英語講師養成講座」(J-SHINE®資格認定講座)がおすすめです。ポイントは以下の4つです。
神田外語キッズクラブは、大学や専門学校を擁する神田外語グループが母体の児童英語スクールです。児童英語講師養成講座では、理論を学ぶ講義科目と、実技を学ぶ演習科目をバランスよく配置しています。教室英語(Classroom English)を学ぶ授業や、子どもの認知発達を踏まえたゲームの取り入れ方、教材作成のポイント、アルファベットの文字の綴りと発音の関係を学ぶ「フォニックス」指導の方法などを基礎から学習できます。
講座の修了者は、J-SHINE®認定資格の申請・取得をすることが可能です。これまでにも、子どもに英語を教えたことが全くない方はもちろん、育休中に自分で英語を教えたいという方、セカンドキャリアのためにスキルアップしたい方、現役教員の方など様々な方にご受講いただいています。
コースは「対面型」と「オンライン」からの2種類から選択可能。仕事やライフスタイルに合わせて受講することができます。子育て中の方や、お仕事が忙しく平日はなかなかゆっくり時間が取れないという方にはZoomで受講できる「オンラインコース」がおすすめです。リアルタイムの講座は土曜日のみの全8回。このほか、先生として押さえておきたい知識や理論科目の授業を、好きな時間に視聴することが可能です。
実際に講座授業を担当している日本人指導者による、無料のオンライン授業体験を開催しています。児童英語に関する学習に興味があるけれど、どのスクールを選べば良いのか悩んでいる方や、カリキュラム内容をしっかり確認したいという方におすすめです。指導現場で求められる指導技術を学べる、神田外語の実践型授業を是非ご体感ください。
※他業界から児童英語講師に挑戦したきっかけ、児童英語講師としてのやりがい、最近の教育業界の動向などについてお伝えしている前編のコラムはこちらからご覧ください。