「幼児・児童英語の先生に求められる英語力はどんなもの?」
「英語力ブラッシュアップのコツは?」
児童英語指導者を目指している人や、働き始めたばかりの人の中には、このような疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。児童英語指導者に求められる英語力は、子どもを相手に教えるという性質上、学生や大人に教える先生とは求められる力が少し異なります。そこでこの記事では、児童英語教育の現場に長年携わるHerman先生のお話をもとにして、
を中心に解説していきます。最後まで読めば、児童英語指導者としてスキルアップする方法が見えてくるでしょう。
記事監修 : Herman Bartelen先生
ウェスタン・オンタリオ大学卒業。バーミンガム大学にてMA TESOL(修士)取得。専門学校神田外語学院の教員として30年以上学生指導に携わる傍ら、神田外語キッズクラブ「児童英語講師養成講座」の開講当初から20年以上に渡り、児童英語指導者の育成に尽力。学生一人ひとりに対する丁寧な指導と、明るく楽しい人柄で人気の先生。神田外語キッズクラブのオリジナル教材『POP-UP ENGLISH』の開発にも携わる。
主な著書に『Ready to Present-A Guide to Better Presentation』(共著、Cengage Learning)、『Take It Easy!-Talking Naturally and Confidently』(Cengage Learning)など。
子どもたちを指導する児童英語の先生に求められる英語力とは、英語だけが飛び交う教室環境を作ってあげられる力です。大人のクラスと違い、児童英語の現場では子どもたちが日本語を使ってしまうこともしばしばあります。それに対して先生は絶えず英語で子どもたちに話しかけ続け、子どもたちが自然に英語を話せるようにしてあげる必要があります。
子どもたちに絶えず英語で話しかけ、英語だけが飛び交う教室環境を作るには、以下のようなポイントをおさえることが必要です。
1つ目は、指示するフレーズをできるだけ多く身につけることです。大人に教えるときと違い、子どもに教える場合は、アクティビティなどをどのように行うか説明したり、次に何をするか伝えたりと、指示フレーズを多用することになります。 “Come over here.(こっちに来て)”や“Turn over the card.(カードをひっくり返して)”など、授業内で使うことが想定されるフレーズをカテゴリーごとにインプットしておくと役立ちます。
2つ目は、同じシチュエーションでも複数の表現を使えるようにしておくことです。いつも同じフレーズを使っていませんか? 例えばレッスンを終了する際のクロージングのフレーズを例にとると、“Good-bye.”だけでなく、 “See you next time! Take care.”や “Have a good night.”などたくさんの表現があります。表現の幅が広がれば、さらに積極的に子どもたちに話しかけてあげられるようになるでしょう。
3つ目は、レッスン中の時間つなぎのためにできることのストックを多く作っておくことです。指示待ちの時間や空き時間ができてしまうと、子どもたちは日本語を使ってしまいがちです。それを防ぐために、例えば子どもたちがクラスに来て席についたら英語で “Hello Song”を歌ったり、天気のチャンツをしたり、クラスの最後には子ども達に一列に並んでももらってHigh-five(ハイタッチ)をしたりするなど、短時間で、子ども達が楽しんで英語に親しめる活動のレパートリーを増やしておくとよいでしょう。間延びしない、メリハリあるレッスンにすることができます。
★レッスンを振り返るのも大切
レベルアップのためには、自分のレッスンを振り返ることが大切です。レッスンの中で必要と感じた指示フレーズや、とっさに思いつかなかった英語表現があったら都度記録しておきましょう。具体的な場面が想定できたら、先輩の先生や外国人の先生は同様のシチュエーションでどのような言い回しをしているか学び、表現を増やしていきましょう。
特に会話を主体とする児童英語教育の現場ではスピーキングスキルが重要ですが、自分の発音に自信がないという人は少なくないでしょう。そこで、発音の練習としておすすめしたいのがシャドーイングです。音源を聞いて、スクリプトを追いながら発音をそのまま真似する練習法です。
正しい文法で話されている音声なら題材は何でも問題ありませんが、ニュース音声は話し方が比較的平坦なので、日常的な会話の音声を入手して題材にするとよいでしょう。音の抑揚やリズムに気付き、より自然な発音を身につけられます。以下に紹介するサイトでは、様々なシチュエーションの音源を無料で聞くことができます。スクリプトも掲載されていて、シャドーイングの練習には最適です。
★スピーキングスキルが重要とはいえ基本的な文法力は大切
児童英語教育の現場では、リーディング・ライティングのスキルが求められる場面はさほど多くありませんが、文法力は大切です。流暢に話すことを気にするあまり、文法がおろそかになってしまってはいけません。例えばHerman先生が教えている学生では、冠詞の使い方や三単現など基本的な文法ルールのミスが多いこともあるそうです。未就学児や小学生に対しては文法の正誤を指摘して指導することはありませんが、子どものミスをそのままにせず、正しい言い方・書き方で伝えられる文法力は必要です。
★数値的にはTOEIC(R)600点台が最低限の目標値
英語資格はどれくらいのレベルを目指すべきか気になる人は多いと思います。英語力は高ければ高いほどよいのは間違いありませんが、子どもに英語を教えること自体は、例えばTOEIC®なら600点程度でも可能です。但し、小学校や英会話スクールの採用条件を考えると、それ以上のスコア・級位が求められます。いずれにしても、『Graded Readers』のような、英語圏の小学生が読むような教材をスムーズに読めるだけの英語力は必要と考えてください。
児童英語指導者の養成講座はたくさんあるけれど、どこがいいか迷っている……という方には、神田外語キッズクラブの児童英語講師養成講座をおすすめします。当講座のポイントを紹介します。
大学や語学専門学校を運営する神田外語グループが長年かけて培った語学教育に関するノウハウをもとにしたカリキュラムで、理論を学ぶ講義科目と、実技を学ぶ演習科目をバランスよく配置しています。現役の児童英語講師とグループの教員陣が専門的・実践的な指導を行い、即戦力となる講師を育てます。
小学校の外国語教育に関する知識はもちろん、幼児~小学生まで、子どもの発達段階を踏まえた英語指導の方法を様々な実例をもとに学べます。実技演習では、受講生自身が先生役となり、学んだことを授業中に何度もアウトプットする機会があるため、短期間でしっかりした指導スキルを身につけることができます。今回コラムを監修したHerman先生が担当する英語授業もあり、指導者として必要な「教室英語」などもしっかり学習できます。自信をもって生徒の前に立てるようになるでしょう。
講座の修了者は、子どもへの英語指導を行う上で十分な知識と技能を持っていることを証明する「J-SHINE®認定資格」の申請・取得が可能です。資格取得後、多数の修了生が英会話スクールの先生や小学校外国語指導アシスタントとして活躍しています。
※J-SHINE®は、特定非営利活動法人 小学校英語指導者認定協議会の登録商標です。
※J-SHINE®に関する詳細は、公式サイトをご参照ください。
特定非営利活動法人 小学校英語指導者認定協議会
仕事やライフスタイルに合わせて柔軟にコース選択が可能です。コースは「対面型スタンダードコース(3か月)」、「対面型インテンシブコース(夏期限定11日間)」、「オンラインコース」の3種類を用意。仲間とモチベーションを高め合いながらじっくり学習したい方には対面型、自宅で集中して受講したい方や遠方にお住まいの方にはオンラインコースがおすすめです。どのコースを受講しても「J-SHINE®認定資格」の申請・取得が可能です。
Herman先生のお話をもとにした、児童英語指導者として必要な英語力や磨き方のコツをおさらいします。
■児童英語指導者に求められるのは「英語だけが飛び交う教室環境を作れる力」
■英語だけが飛び交う教室環境を作るために必要なポイントはこの3つ
・教室内での指示表現を覚えておく
・場面ごとに使える表現の幅を広げる
・レッスン中の時間つなぎにできることを増やしておく
■発音に課題を感じる人にはシャドーイングがおすすめ
■児童英語指導者を目指す人には神田外語キッズクラブの講座がおすすめ
このコラムの内容を参考にして、児童英語指導者として必要な力を磨いていきましょう!