「子どもの英語教育、いつから始めるべき?」
「早いほうが効果的?」
「まだうちの子には早すぎると思うけど……」
子どもに英語教育を受けさせたいと思っている方の中には、こんな疑問をお持ちの方も少なくないと思います。実は、英語教育に「早すぎる」ということはありません。早く始めればそれだけ、将来的に大きな効果が見込めます。
このコラムでは、英語教育の専門家で神田外語大学の教授を務める田中真紀子先生のお話をもとに、
などを解説していきます。
早期英語教育に関する疑問・不安解消の一助になれば幸いです。
interviewee 田中真紀子先生
神田外語大学外国語学部英米語学科教授。神田外語大学児童英語教育研究センター(CTEC)センター長。神田外語キッズクラブ顧問。上智大学卒業後、上智大学大学院よりMA(修士号)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校よりMA(修士号)、同大学よりPh.D.(博士号)取得。教育学博士。
主な著書に『教師と学生が知っておくべき教育動向』(共著・北樹出版)、『小学生に英語の読み書きをどう教えたらよいか』、『絵本で教える英語の読み書きー小学校で実践したい英語絵本の指導法』(研究社)などがある。
まず確実に言えるのは、英語教育は早く始めるのがよいということです。
英語圏生まれの子どもは当然、生まれたときから英語に触れるので、成長とともに英語を話すようになります。日本で生まれた子どももそれと同じように、0歳のときからずっと母語と同じように英語に触れていれば英語を話せるようになるというのはイメージが湧くかと思います。
すぐに英語教育の環境を整えるのは難しいかもしれませんが、英語に触れさせる時間が長ければ長いほど効果が見込めるのは間違いありません。なるべく早く英語に触れさせてあげることを意識してください。
英語に触れ始める時期が早ければ早いほど、また、触れる時間が長ければ長いほど、習得には効果的と説明しました。その大きな理由は「幼少期は脳が非常に柔軟で言語に敏感だから」です。
乳幼児期は音声に関する感覚が優れていて、日本語に存在しない英語特有の音や、音の違いを聞き分けることができます。乳幼児は何度となく英語を耳にすることで英語のリズムやストレスを感じ取り、語や表現を繰り返し聞くと、それを一つの塊と捉えて、その意味を獲得していく能力を備えています。
幼少期の脳は非常に柔軟で、言語の習得に大きな影響を及ぼします。2歳から11歳くらいまでは特に重要な時期で臨界期と呼ばれており、この時期に子どもは非常に多くの言葉を吸収し、習得します。臨界期を超えてしまうと、母語習得は困難と言われています。
第2言語習得においても、この時期は重要な言語習得の期間で、母語話者レベルの英語習得を目指しているのであれば、豊富な言語環境の中で、英語でやり取りする機会がたくさんあることが非常に重要です。
「早く始めさせたほうがよい」とはいえ、ご家庭でどのように英語に触れさせればよいかわからないという方も多いでしょう。ここでは、ご家庭でできる英語との効果的な触れ合い方を紹介します。
最も簡単かつ効果的なのは、子どもが興味を持っていること・ものに関して、英語で語りかけをしてあげることです。
例えば、子どもがクマのぬいぐるみを見たり、指を差したりして興味を示したら、“That’s a bear, teddy bear.” “It’s so cute.”などと文章で話しかけるのです。そうすることで、英語の「音」だけではなく「語彙」や「文法」も感覚的に身についていきます。
このように、まず子どもが興味を示したことから始め、次はそれに関連させてさらに幅を広げていき、その過程でたくさんの英語インプットとやり取りがあれば、子どもは無理なく、そして楽しく英語を学ぶことができます。
先程のぬいぐるみの例、“bear”であれば、そこから今度は図鑑や動物の絵本を見せて、“Here’s a bear. Hear’s another one.”(ここにクマがいるね。ここにも)、そして本の中の別の動物を指して、“What’s this animal? It’s not a bear. It’s a lion. Lions say roar!”(この動物はなんだろう。クマさんじゃないね。ライオンだ。ライオンはガオーって鳴くんだよ)という具合に語りかけてあげるのです。
テーマはあくまでこどもの興味を主体にすることが重要です。興味の幅を広げてあげるには、様々なものを見せてあげるのがよいでしょう。特におすすめしたいのは絵本です。絵本を読んであげることで、子どもはその中の何かに興味を示すはずです。それを一緒に触りながら、“It’s ○○, 〜〜”などと、英語で名前を教えてあげるとよいでしょう。形容詞を付けるとさらに豊かな言語インプットになり、概念の形成に役立ちます。
聞き流し学習は子どもには効果がない
英語に触れさせると言っても、YouTubeや音声教材を流しっぱなしにしておけばよいというわけではありません。子どもにとって、やりとりがなければ英語の習得はあり得ないからです。大人は「聞き取れなかったからもう一回聞こう」と繰り返し聞くことで学習できますが、子どもはそれができません。子どもの場合は聞き流し学習に効果は見込めないのです。子どもが興味を持ったものに対して語りかけ、子どもの理解を確認しながらまた語りかけるというプロセスを経ることが大切です。
早いうちに英語に触れさせてあげたいけれど、自分の力では自信がない……という方は是非、神田外語キッズクラブにお子さまをお預けください。神田外語キッズクラブでは、たくさんの英語を使ったやり取りを通して、子どもたちが英語音声に慣れ親しみ、楽しみながら簡単な英語を読み書きできるように、独自に開発した教材を使って指導しています。神田外語キッズクラブの特徴は以下の通りです。
文字のつづりと発音の関係を学ぶフォニックス指導を早期から取り入れています。小さい頃から正確な音・発音で学んでおくと、小学生になってからの英語を読む力・書く力の成長に段違いの効果があります。
未就園児クラスではまずアルファベットの音や形に慣れ親しませ、幼稚園クラスから本格的に、アルファベットの文字と音の関係を学びます。単語を自分で読む・書く力について段階を踏んで育成し、自信を持って発音・発話できるような指導を行っています。
神田外語キッズクラブでは、発達段階に応じて0歳から細かなクラス分けを行っています。子どもの年齢によって、できることや興味関心を持つ物事は異なるため、発達段階を踏まえた内容でレッスンを行うことが英語教育において非常に重要だからです。
0・1・2歳/2・3歳/幼稚園/小1・2年/3・4年/5・6年でクラス分けをし、子どもの認知発達と成長に合ったプログラムと教材を用意しています。
「0・1・2歳クラス」と「2・3歳クラス」は、保護者同伴のクラスです。家庭での英語環境づくりのヒントや、育児英語フレーズなども学べるため、英語を学び直したい、子どもと楽しく英語に触れたいとお考えの保護者の方も一緒に参加できる内容です。
神田外語キッズクラブには、大学や語学専門学校を有する神田外語グループにおける児童英語講師養成講座・研修を修了した講師が揃っています。
ただ英語が堪能なだけでは、児童英語講師として十分な能力があるとは言えません。「外国語として英語を学ぶ」日本人の子どもの特性をよく理解し、年齢別の認知発達・学習上の特徴を踏まえた指導のポイントを把握していることが必要です。神田外語キッズクラブの講師陣は、児童英語指導に関する講座・研修を通して、これらのポイントを熟知しています。また、多様な文化的背景を持ち、子どもたちの異文化・国際理解のモチベーションを向上できるような講師も多数所属しています。お子さまの英語に関するお悩みについても安心してご相談ください。
今回紹介した早期英語教育に関するポイントをおさらいします。
■英語教育は早く始めたほうがよい
・幼少期は脳が非常に柔軟で、特に2歳〜11歳が言語習得に大切な時期と言われています。
■家庭でできる効果的な英語教育:子どもが興味を持ったものをテーマに語りかける
・子どもが興味を持ったものをテーマに、英語の文章で語りかけることで、音や語彙、文法が自然に身についていきます。
■家庭で環境を整えるのが難しい場合は英語教室へ
このコラムの内容を参考に、早期英語教育にチャレンジしてみてください。